チャラい彼は、意外と一途
「ふゆと檜山君、お似合いだと思うけど。私、最初この2人が付き合うことになるんだろうなって思ってたもの。結局、中村さんと付き合ったみたいだけど」
「お似合いではないよ。だって、湊君はかっこいいから。萌ちゃんの方がお似合いだよ。湊君が私以外の人と付き合ってるのを見るのは辛かったけど、萌ちゃんならいいなって今日思えたから」
あんな優しくていい彼女は他にいない。
湊君と付き合ってるのが萌ちゃんでよかった。
「ほんと、ふゆはいい子すぎ」
「いい子じゃないよ」
始めは嫉妬してたもん。
私には告白する勇気すらないのに……
本当は嫉妬なんてする資格がなかったんだ。
「そう思えるだけで十分いい子だから。あ、体育館着いた」
次は、体育。
体育館には3年生がいた。
3年生がいるってことは、今日はコート半分ってことかな。
私達はバレーだけど、3年生は何故かバスケ。
この3年生の中に佐野先輩がいたりして……
「あ、ふゆ。佐野先輩がいる」
紗奈ちゃんが嫌そうな声で言った。
見ると、確かに佐野先輩がいた。
女の子と楽しそうに話してる。
「あのチャラい先輩のどこがいいのかしらね」
「うーん、どこだろうね」
私にもそれはよく分からない。
佐野先輩とちゃんと接していないからかもしれないけど……