チャラい彼は、意外と一途
幼馴染みからの告白
〔ふゆside〕
もう12月に入っていて、とても寒い季節。
カーディガンとか着てないとやってられない。
でも、私は忘れてしまった。
それくらい悩んでたから。
帰ったら、紗奈ちゃんには伝えた。
萌ちゃんが佐野先輩のことを好きだってことを。
そして、私も佐野先輩のことを好きだと言うことを。
『やっぱりそうなのね。私、後で分かったから。中村さんが別れた告げた理由。ふゆの気持ちにもなんとなく気づいてたわ。すごいことになったことに変わりないけど、ちゃんと頑張りなさい。後悔しないように』
『うん、ありがとう』
昨日交わした会話。
あれのおかげで、だいぶ楽になった。
私の気持ちも話せたし。
不安はあるけど、頑張れるところは頑張らないと。
佐野先輩にはまるで伝わってないだろうし。
そもそも、私の気持ちを伝えてないのだから伝わってなくて当然だけど。
気づいてほしくないけど、どこかで気づいてほしいという気持ちもあった。
そんな乙女の矛盾した気持ち。
とにかく伝えたい、この気持ちを。
そう思えるくらいにはなった。
告白されてるんだしもっと自信を持ってって言われそうだけど、安心はできない。
佐野先輩を好きになって、人の気持ちは変わるものなんだと分かった。
私はあんなに湊君のことが好きだったのにら今では佐野先輩のことを好きになってる。