チャラい彼は、意外と一途
そんなところが愛しく思ってしまう私は重症だよね。
私は重いのかもしれない……
初めはまさか好きになるなんて思わなかった。
佐野先輩の印象もただチャラい人という印象しかなかったから。
ころころ彼女が変わるらしいしら浮気もするみたいだし。
いきなりキスされて、そのイメージが固定されてしまった。
関わりたくない、そう思ったこともあったくらいなのに……
少しだけ笑って、自分の今の状況を甘んじる。
心の中で少しでも余裕があったのかもしれない。
まだ佐野先輩が私のことを好きでいてくれてると。
だから、今日あんなことになるなんて想像もしていなかった。
ざわざわと騒がしい教室。
今日も湊君と萌ちゃんの話題が飛び交っていた。
「ねぇ、復縁しないのかな?」
「さぁ、どうだろう。原因が分からなきゃなんともね」
「萌ちゃん、めっちゃ可愛いよな。檜山が羨ましいと思ってたけど、別れてくれるなんてラッキー!俺にもチャンス来た!」
「お前じゃ無理だろ。でも、何で別れたんだろうな」
女の子、男の子、それぞれの声。
その中には疑問の声も。
私だって不思議に思ったよ。
萌ちゃんの話を聞くまでは。