チャラい彼は、意外と一途


そんなところが愛しく思ってしまう私は重症だよね。


私は重いのかもしれない……


初めはまさか好きになるなんて思わなかった。


佐野先輩の印象もただチャラい人という印象しかなかったから。


ころころ彼女が変わるらしいしら浮気もするみたいだし。


いきなりキスされて、そのイメージが固定されてしまった。


関わりたくない、そう思ったこともあったくらいなのに……


少しだけ笑って、自分の今の状況を甘んじる。


心の中で少しでも余裕があったのかもしれない。


まだ佐野先輩が私のことを好きでいてくれてると。


だから、今日あんなことになるなんて想像もしていなかった。






ざわざわと騒がしい教室。


今日も湊君と萌ちゃんの話題が飛び交っていた。


「ねぇ、復縁しないのかな?」


「さぁ、どうだろう。原因が分からなきゃなんともね」


「萌ちゃん、めっちゃ可愛いよな。檜山が羨ましいと思ってたけど、別れてくれるなんてラッキー!俺にもチャンス来た!」


「お前じゃ無理だろ。でも、何で別れたんだろうな」


女の子、男の子、それぞれの声。


その中には疑問の声も。


私だって不思議に思ったよ。


萌ちゃんの話を聞くまでは。


< 176 / 300 >

この作品をシェア

pagetop