チャラい彼は、意外と一途
クラスの人の視線も感じながら……
湊君が来るのが珍しいっていうのもあると思うけど、やっぱりモテるんだな……
「ふゆ、何だったの?」
「放課後中庭に来てほしいって。大事な話らしいけど、何なんだろうね」
「ふふっ、そうね」
笑っている紗奈ちゃんを見て、首を傾げる。
「どうしたの?紗奈ちゃん」
「いや、面白いことになりそうだなって思ったのよ。ふゆにとっては困ることなんだろうけどね」
どういうことなんだろう……?
私の理解力がないだけ……?
紗奈ちゃんも私にも分かるように説明してほしいな。
「ねぇ、ふゆ。悩んだら、私に連絡しなさい。ちゃんとふゆの力になるから」
続けて言われた言葉にジーンときた。
紗奈ちゃんは本当に優しい。
私の自慢の親友だよ。
「ありがとう、紗奈ちゃん!」
何のことかは分からないけど、それは放課後になったら分かること。
でも、紗奈ちゃんの言葉に元気づけられたのは確かだった。
だから、紗奈ちゃんも迷うことがあったらら、今度は私が助けてあげたいな。
紗奈ちゃん、私はいつでも紗奈ちゃんの味方になるからね。
恵まれた友達に嬉しくなりながら、心の中で語りかけた。