チャラい彼は、意外と一途
放課後になるのはあっという間で、すぐに放課後がやってきた。
湊君に中庭に来てと言われたから、中庭に向かう。
何なんだろう……?
湊君に呼び出されたことって今までなかったからな……
大事な話って本当に何なんだろう……?
何回も同じことを疑問に思いながら、中庭へと足を速めた。
中庭に着くと、すでに湊君の姿が。
うわぁ、やばい。
どれくらい待たせちゃったんだろう……?
慌てて湊君の方へと駆け寄った。
「湊君、ごめんね。遅くなっちゃった」
「謝んなくていい。そんなに待ってないし」
「本当?」
「あぁ、本当」
湊君は優しいから、平気でそういう嘘をつく。
でも、終礼が終わってすぐに来たつもりだし、その言葉を信じさせてもらおう。
いや、信じたい。
でないと、申し訳ないから。
「あの、それで大事な話って……?」
私からおずおずと切り出すと、湊君はどこか緊張した様子で……
「あぁ、それは……」
本当に湊君は緊張してるみたいで、なかなかその続きを言わない。
湊君にしてはその様子は珍しかった。
そんなに緊張するようなことを言うのかな……?
もしかして、湊君の大事な話って普段思ってる私に対する文句とか?