チャラい彼は、意外と一途


放課後になるのはあっという間で、すぐに放課後がやってきた。


湊君に中庭に来てと言われたから、中庭に向かう。


何なんだろう……?


湊君に呼び出されたことって今までなかったからな……


大事な話って本当に何なんだろう……?


何回も同じことを疑問に思いながら、中庭へと足を速めた。


中庭に着くと、すでに湊君の姿が。


うわぁ、やばい。


どれくらい待たせちゃったんだろう……?


慌てて湊君の方へと駆け寄った。


「湊君、ごめんね。遅くなっちゃった」


「謝んなくていい。そんなに待ってないし」


「本当?」


「あぁ、本当」


湊君は優しいから、平気でそういう嘘をつく。


でも、終礼が終わってすぐに来たつもりだし、その言葉を信じさせてもらおう。


いや、信じたい。


でないと、申し訳ないから。


「あの、それで大事な話って……?」


私からおずおずと切り出すと、湊君はどこか緊張した様子で……


「あぁ、それは……」


本当に湊君は緊張してるみたいで、なかなかその続きを言わない。


湊君にしてはその様子は珍しかった。


そんなに緊張するようなことを言うのかな……?


もしかして、湊君の大事な話って普段思ってる私に対する文句とか?


< 179 / 300 >

この作品をシェア

pagetop