チャラい彼は、意外と一途
「まぁ、いいわ。佐野先輩に気づかれないうちに集まりましょ」
「うん」
私と紗奈ちゃんは、クラスの人がいるところに集まった。
休み時間が終わり、試合が開始した。
手前側が私達のクラスなんだ。
狭いから、男女で分けて試合をすることになった。
始めは、男の子。
「キャー!」
後ろから悲鳴が聞こえてきて、振り向くと……
佐野先輩がとても遠いところからシュートをしているところだった。
「うわ、すごい!」
紗奈ちゃんは素直に感心したような声を出してる。
佐野先輩のことあんなに嫌ってるのにね。
でも、それほど佐野先輩の運動神経がいいということ。
「佐野先輩、すごい!」
「かっこいいよね!」
「何でもできちゃうとかヤバイ」
クラスの女の子は、佐野先輩に釘付け。
いつものふざけている感じとは違う真剣な顔。
つい私も目を奪われた。
確かにかっこいいかもしれない。
「あれはかなりすごい」
「うん、すごいね」
なんて、佐野先輩の試合を見ていたら、男の子の試合が終わっていたことに気づかなかった。