チャラい彼は、意外と一途


私は一ノ瀬ふゆ。


準備が終わって、学校に向かうところ。


「行ってきます」


そう言って、家を出た。


すると、ちょうど同じタイミングで出てきた人物が。


「ふゆ、おはよう」


「あ、おはよう」


それは、幼馴染みの檜山湊君だった。


「ふゆ、今日一緒に学校に行かないか?」


「えっ、いいけど……彼女さんは?」


「一緒に行けないって連絡が来た。だから、ふゆを誘ってる」


そっか……


今日は彼女さんと一緒に行かないんだ。


嬉しいと思ってしまう私はどうしようもない。


「うん、行く」


「なら、行こう」


久しぶりに湊君と一緒に登校した。


「久しぶりだね。こうやって一緒に登校するの」


「あぁ、確かにな」


彼女さんができてからは、1度も一緒に登校していない。


ちらりと湊君を盗み見た。


……相変わらず整ってるなぁ。


それに加えて、成績優秀で運動神経も抜群。


モテないわけないよね。


「今でも告白されたりするの?」


「あぁ、少しな。でも、萌と付き合い始めてからはだいぶ減った」


< 2 / 300 >

この作品をシェア

pagetop