チャラい彼は、意外と一途
私は一ノ瀬ふゆ。
準備が終わって、学校に向かうところ。
「行ってきます」
そう言って、家を出た。
すると、ちょうど同じタイミングで出てきた人物が。
「ふゆ、おはよう」
「あ、おはよう」
それは、幼馴染みの檜山湊君だった。
「ふゆ、今日一緒に学校に行かないか?」
「えっ、いいけど……彼女さんは?」
「一緒に行けないって連絡が来た。だから、ふゆを誘ってる」
そっか……
今日は彼女さんと一緒に行かないんだ。
嬉しいと思ってしまう私はどうしようもない。
「うん、行く」
「なら、行こう」
久しぶりに湊君と一緒に登校した。
「久しぶりだね。こうやって一緒に登校するの」
「あぁ、確かにな」
彼女さんができてからは、1度も一緒に登校していない。
ちらりと湊君を盗み見た。
……相変わらず整ってるなぁ。
それに加えて、成績優秀で運動神経も抜群。
モテないわけないよね。
「今でも告白されたりするの?」
「あぁ、少しな。でも、萌と付き合い始めてからはだいぶ減った」