チャラい彼は、意外と一途

強まっていく想い



なかなか日程が合わなくて、先延ばし中。


「ふーゆちゃん!」


「佐野先輩」


やたらめったら声かけてくる佐野先輩。


懲りない先輩。


相当暇なのかな……?


「ふゆに近づかないでくださいって何回言ったら分かるんですか?」


そんな時、いつも助けてくれる紗奈ちゃん。


頼りになるよ。


「紗奈ちゃんの言うことは聞けないね。ふゆちゃんは僕のお気に入りだから」


「はぁ!?ふゆは、あなたのものじゃないんですけど!」


「おぉ、怖いね」


「茶化さないでください!」


このやりとりはだいたい毎日のように行われている。


私の代わりに行ってくれるのはありがたいけど、これいつまで続くのかな……?


そのやりとりを見ながら、不安になりつつそう思っていると


「じゃあ、僕は行くよ。またね」


にこっと笑って、戻っていった。


……やっと終わった。


「もう、本当に何なのよ!」


「懲りない先輩だよね」


「まったくよ!いい加減にしてもらいたいものだわ!」




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