チャラい彼は、意外と一途

浮かれた気持ちとケジメ



今日入れて、あと2日で冬休み。


私の誕生日も近づいてきている。


私の誕生日は12月25日。


つまり、クリスマスの日だから。


佐野先輩と付き合うことになった次の日、私は浮かれた気持ちで行儀悪く頬杖を着いて、ぼーとしていた。   


「ふゆ、幸せそうね」


「あ、紗奈ちゃん。おはよう」


「おはよう!今日は佐野先輩と登校したの?」


「ううん、してないよ」


「は?普通家に行って一緒に登校するでしょ!佐野先輩は何してるの?」


「それを私に言われても……」


苦笑いを浮かべて、紗奈ちゃんを宥めていると……


「ふゆちゃん!」


声だけで誰が来たか分かり、すぐに駆け寄った。


「佐野先輩、どうしたんですか?」


「特に用はないよ。ふゆちゃんの顔が見たくなっちゃって」


前までだったら、何言ってるんですか?って言ってたと思うけど、今は違う。


その言葉が素直に嬉しい。


「もう。わざわざそんなので来たんですか?」


なのに、私ほ可愛くないことを言ってしまう。


何で、こんな言い方してしまったんだろう……
  

はぁと小さくため息ついた。


それに気づかなかったのか、佐野先輩は普通に話し始める。




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