チャラい彼は、意外と一途


「はぁ、律先輩に会える……」


「そんなに会いたいの?」


「もちろんよ!」


やっぱり、紗奈ちゃんは可愛いなぁ……


「はぁ、楽しみ」


嬉しそうな紗奈ちゃんを見てたら、私も嬉しくなる。


正直佐野先輩のことで不安に感じていた私だけど、紗奈ちゃんの顔見てたら吹き飛んだ。


せっかく、佐野先輩に会えるんだから。


紗奈ちゃんも私も、佐野先輩達と一緒にお昼を過ごすのを心待ちにしていた。







午前の授業が終わり、昼食の時間になった。


「じゃあ、行くわよ!」


「うん、そうだね」


いつになく嬉しそうな紗奈ちゃんの言葉に頷く。


お弁当を持って、屋上へと向かった。


「あれ、紗奈ちゃんとふゆちゃんだよな!」


「なんか嬉しそうな感じだな。もしかして、彼氏でもできたんじゃねぇの?」


「うわ。そうだったら、ショックなんですけど」


あはは、私と紗奈ちゃんそんなに嬉しそうな顔してるんだ……


傍から見れば浮かれてるように見えるのかな?


私に彼氏ができたのは本当。


紗奈ちゃんにはまだ彼氏はできてないけど、それでも分かってしまうんだね。


屋上に着き、扉のドアノブに手をかける。


ガチャッと音がして、扉が開いた。


「あ、ふゆちゃん!紗奈ちゃんも来たね!」


「久しぶり、紗奈ちゃん。ふゆちゃんは昨日ぶり」


「すみません、遅くなりました」


「お待たせしました!」




< 219 / 300 >

この作品をシェア

pagetop