チャラい彼は、意外と一途
「はぁ、律先輩に会える……」
「そんなに会いたいの?」
「もちろんよ!」
やっぱり、紗奈ちゃんは可愛いなぁ……
「はぁ、楽しみ」
嬉しそうな紗奈ちゃんを見てたら、私も嬉しくなる。
正直佐野先輩のことで不安に感じていた私だけど、紗奈ちゃんの顔見てたら吹き飛んだ。
せっかく、佐野先輩に会えるんだから。
紗奈ちゃんも私も、佐野先輩達と一緒にお昼を過ごすのを心待ちにしていた。
午前の授業が終わり、昼食の時間になった。
「じゃあ、行くわよ!」
「うん、そうだね」
いつになく嬉しそうな紗奈ちゃんの言葉に頷く。
お弁当を持って、屋上へと向かった。
「あれ、紗奈ちゃんとふゆちゃんだよな!」
「なんか嬉しそうな感じだな。もしかして、彼氏でもできたんじゃねぇの?」
「うわ。そうだったら、ショックなんですけど」
あはは、私と紗奈ちゃんそんなに嬉しそうな顔してるんだ……
傍から見れば浮かれてるように見えるのかな?
私に彼氏ができたのは本当。
紗奈ちゃんにはまだ彼氏はできてないけど、それでも分かってしまうんだね。
屋上に着き、扉のドアノブに手をかける。
ガチャッと音がして、扉が開いた。
「あ、ふゆちゃん!紗奈ちゃんも来たね!」
「久しぶり、紗奈ちゃん。ふゆちゃんは昨日ぶり」
「すみません、遅くなりました」
「お待たせしました!」