チャラい彼は、意外と一途
立ち去った先生はきっと知らないだろう……
私がどれだけ喜んでいたか。
本来なら、これは萌ちゃんの役目だ。
でも、今日だけ……湊君の様子が見たい。
湊君の看病を他の人がしてほしくない。
彼女じゃないのに、そんな気持ちになってしまった。
私が湊君のことを好きすぎるからだと思うけど。
くすぶる気持ちをなだめて、私は湊君の家へと向かった。
私の家と湊君の家は本当に近くて、私の向かいの家が湊君の家。
昔はよく湊君の家に遊びに行ってたけど、高校生になってからは1度も行ってない。
萌ちゃんが彼女になってからということもあるけど。
やっぱり、悪いから。
家に行く前にコンビニに寄って、飲み物とかを買いに行った。
湊君の家に着いて、ドアホンを鳴らす。
少ししても、出てこない。
大丈夫かな……?
心配になって、ドアノブに手をかけた。
きっと、開いてない。
でも、様子を確認したかった。
開いてないと思っていたけど、無用心にも開いた。
これはこれで心配……