チャラい彼は、意外と一途


『別にいいよ。それより、用は?』


「あ、はい。明日、デートするんですけど、クリスマスプレゼントを何にしたらいいのか分からないんです。仲が良い凍堂先輩なら、佑都先輩が欲しがってる物が分かるんじゃないかなと思って電話させてもらったんですよ」


『あぁ、なるほどね』


すぐ理解したみたいで、納得したような声を上げた。


まぁ、これは紗奈ちゃんの提案だけど。


『佑都ってそういうのあんま言わないんだけどね、この前珍しく呟いたんだ。腕時計が欲しいって言ってたよ。それにね、女の子が腕時計をあげるのには意味があるんだ。贈り物全てにあるんだけど。ふゆちゃん、知ってた?』


「えっ、そうなんですか?」


腕時計を贈り物とするのに意味があるんだ……知らなかった。


どういう意味なんだろう……?


『女の子から男へ贈ったらあなたの時間を束縛したいって意味になって、男から女の子へ贈ったら同じ時を歩んでいこうって意味になるんだ』


へー、そうなんだ……


束縛かぁ……


「そうですか。教えてくださりありがとうございます。私、腕時計にしますね」


意味も知った上で決めた。


腕時計を贈り物にするとか思いつかなかったし、凍堂先輩に聞いてよかった。


ただ、男の人のデザインってどんなのがいいか分からないんだよね……


佑都先輩の好みを知らないし。


でも、凍堂先輩に迷惑をかけるわけにもいかないから、ここは自分で選ばないといけないんだけど。


< 242 / 300 >

この作品をシェア

pagetop