チャラい彼は、意外と一途
『不安そうだね。どんなデザインがいいのか分からないなら、俺と一緒に買いに行く?』
「えっ、いいですよ!迷惑はかけられませんし」
『別に迷惑じゃないよ。佑都の好みなら分かるし、それに今暇してるから。どう?』
迷惑じゃないのなら、一緒に行ってもらいたい。
本当に分からないから。
「えっと、じゃあお願いします」
『了解。じゃあ、ショッピングモールで待ち合わせしよう』
「はい、そうですね。すぐ行く準備をします」
『俺もそうしなきゃ。じゃあ、切るよ。後で会おう』
「はい」
電話を切った後、すぐに着替えた。
凍堂先輩とだし、シンプルな服装で行くのがちょうどいいよね。
寒いから厚着をして、下はジーンズ。
それに手袋とマフラーもつけた。
よし、行こう。
待たせちゃいけないから、走って向かった。
体力のない私はすぐ息切れてしまったけど。
集合場所のショッピングモールに着くと、もう凍堂先輩がいた。
遠くからでもそれが分かった。
だって、とても目立つから。
至ってシンプルな格好のように見えるのに目立ってしまうのは、きっと凍堂先輩の容姿のせい。