チャラい彼は、意外と一途


『不安そうだね。どんなデザインがいいのか分からないなら、俺と一緒に買いに行く?』


「えっ、いいですよ!迷惑はかけられませんし」


『別に迷惑じゃないよ。佑都の好みなら分かるし、それに今暇してるから。どう?』


迷惑じゃないのなら、一緒に行ってもらいたい。


本当に分からないから。


「えっと、じゃあお願いします」


『了解。じゃあ、ショッピングモールで待ち合わせしよう』


「はい、そうですね。すぐ行く準備をします」


『俺もそうしなきゃ。じゃあ、切るよ。後で会おう』


「はい」


電話を切った後、すぐに着替えた。


凍堂先輩とだし、シンプルな服装で行くのがちょうどいいよね。


寒いから厚着をして、下はジーンズ。


それに手袋とマフラーもつけた。


よし、行こう。


待たせちゃいけないから、走って向かった。


体力のない私はすぐ息切れてしまったけど。


集合場所のショッピングモールに着くと、もう凍堂先輩がいた。


遠くからでもそれが分かった。


だって、とても目立つから。


至ってシンプルな格好のように見えるのに目立ってしまうのは、きっと凍堂先輩の容姿のせい。


< 243 / 300 >

この作品をシェア

pagetop