チャラい彼は、意外と一途
女の子が皆見てるし。
……とりあえず、早く行こう。
凍堂先輩のところに駆け寄ると、その間に女の子に声かけられていた。
「かっこいいですね!モデルか何かですか?」
「1人ですか?だったら、私達とお茶しません?」
逆ナンだ。
逆ナンなんて、初めて見た。
佑都先輩とか湊君とかもされてたのかな……?
「あ、ふゆちゃん」
凍堂先輩は私に気づいたみたいで、手を振られた。
「彼女?めっちゃ可愛いんだけど」
「うわ、敵わないわ。行こ」
女の子達はそう言って去っていった。
彼女じゃないですし、私を近くで見たら全然可愛くないですよ。
そう心の中で突っ込みつつ、凍堂先輩の方へと駆け寄った。
「すみません、遅くなっちゃって!」
「大丈夫だよ。中入ろうか」
「はい」
遅くなってしまったことに怒らずにこやかにしている。
寛大な人だな……
凍堂先輩の彼女さんは絶対幸せになれるよ。
その凍堂先輩の彼女に紗奈ちゃんがなれるんだよね。
「凍堂先輩ってよく逆ナンされるんですか?」
「うん、まぁたまにね。でも、佑都の方が多いよ。佑都といる時は結構な頻度でされるから。佑都だけでも結構されてるらしいし」