チャラい彼は、意外と一途
「決めた?」
「はい。これにします」
「へー、ふゆちゃんいいもの選んだね。きっと、佑都も喜ぶよ」
「だったら、嬉しいです」
その時計はとても高かったけど、私はあまりお金を使わないタイプでお小遣いと去年のお年玉で十分足りた。
時計を無事買うことができたんだ。
「凍堂先輩、わざわざありがとうございました」
「どういたしまして。お役に立てたなら嬉しいよ」
言い方とか素敵だよね。
まぁ、腹黒そうなところは置いといても素敵な人だし、紗奈ちゃんが好きになるの分かるな。
「時計にしたんだし、せっかくだから佑都のこと束縛しちゃいなよ」
それは時計を送る意味。
まぁ、確かにできるならしたいかも。
「そうですね」
佑都先輩はモテる。
それは私が1番よく分かってるし、付き合う前から分かってた。
凍堂先輩には大丈夫って少し強がって言ったけど、やっぱり不安に思っちゃうんだ。
可愛い子がいたら、その子を好きになっちゃうんじゃないかって。
だから、嫌われない程度に束縛したいな……
「ふっ。あ、今日のこと佑都には内緒にしてね?」
「何でですか?」
「あいつ、嫉妬深いから。言ったら、変な恨み買いそうだし」