チャラい彼は、意外と一途
まだ苦しそう。
とりあえず、コンビニで買った物を渡した方がいいかも。
お腹が空いてるかもしれないし。
「湊君の家に行く前にコンビニに寄ったんだ。飲み物は、アクエリアスとお茶とお水があるよ。甘い物でプリンも」
「なら、水だけくれ」
「うん、分かった」
他のはいらないみたいだから水だけ渡すと、その時に手が少し当たった。
それだけのことなのに、私の体温は上昇していく。
「……ふゆ、顔少し赤くないか?」
「えっ、そんなことないよ!」
誤魔化すのに、必死になる。
今そう思われたら移したんじゃないかって思われちゃいそうだから。
理由は絶対に言えないし。
「そうか……」
湊君はそう言って、クルッとキャップを回して開けた。
それをそのまま口の中へ。
ごくごくと飲む時に、喉仏が上下に動く。
豪快な飲み方に、見惚れてしまった。
そんな場合じゃないっていうのはよく分かってるのに……
首を振って、湊君に聞いてみた。
「熱、どれくらいなの?」
「さぁな。測ってない」
「じゃあ、体温計渡すから自分で測ってね」
はいと体温計を湊君に渡した。
すると、水を置いて測ってくれた。