チャラい彼は、意外と一途
湊君とお出かけした時みたいに迷ってしまう。
だって、可愛いと思ってもらいたいから。
悩んでいると、刻々と時間は過ぎていって。
30分あったのに、出かけるまで10分となっていた。
「よし、これにしよう」
白いコートに薄いピンクのロングスカート。
髪型はサイドで三つ編みをした。
結構気合いが入ってる格好だな……
自分の格好を見下ろして苦笑いを浮かべつつ、プレゼントを鞄に入れてお母さんに一言言ってかは家を出る。
「お母さん、私今から駅前に行ってくるから」
「あら、そう。気をつけていきなさいよ」
「はーい、いってきます」
バタリとドアが閉まった音。
そのまま家を出た。
お母さんには彼氏のこと、まだ言ってないんだよね。
もしかしたら、勘づかれてるかもだけど。
言ったら、いちいち言われそうだから。
それに、面倒くさいことになりそうだし。
駅前に着いたけど、やっぱり駅前は広い。
時計台があるところの前だから、正面だよね。
ついでに時間も見たいし。
そこまで歩いていくと、時計台が見えた。
その前には人影があった。