チャラい彼は、意外と一途
ふふっ、考えてることは一緒か……
ある意味お似合いだね、私達は……
「いいですよ。私を独り占めしてください!」
いつもならしないけど、感極まってたのかも。
私から佑都先輩に抱きついた。
「ちょっ、ふゆちゃん……」
佑都先輩はどこか慌てて、いつもと立場が逆だなと思って少し笑ってしまった。
それにしても、佑都先輩自分からは容赦なく触れてくるくせに、自分がされるのは苦手なんだ……
新たに知った一面に嬉しくなる。
今なら、このノリで言えるかも。
そう思って、佑都先輩の耳元で囁いた。
「キスしてくれませんか?前はほっぺだったので、今度は唇に」
絶対言えないと思ってたのに、口に出して言うことができた。
それに戸惑ってるのは、佑都先輩で……
「えっ、急にどうしたの?」
「してほしいんです。ダメですか?」
じっと佑都先輩を見つめた。
すると、佑都先輩は目をそらし、ため息をついた。
「はぁ。あぁ、もう。無自覚で煽ってくるのはやめてほしいよ。確認で聞くけど、キスしてもいいんだね?」
「はい、してください」
「天然小悪魔になったか。これから先が怖いな」
何やらよくわからないことを呟いた後、唇が重なった。
心臓が飛び出そうなくらいドキドキするけど、とても幸せ……そう思えるようなキスだった。
私のファーストキス。
優しくて甘いキス。
それを私はきっと忘れない……