チャラい彼は、意外と一途
ピピッて鳴った体温計。
見せてもらうと、38度だった。
「これ、病院で見てもらった方がいいんじゃない?」
「そんなの無駄に金使うだけだろ。別にいい」
湊君はいつもこうだ。
こういう性格は、子供の頃から変わってない。
「ふぅ。湊君は、そのまま寝てて。安静にしてなきゃダメだからね」
「あぁ、分かった」
熱くなったタオルを替えさせてもらって、台所に行った。
お粥を作ろう。
食べてもらえるかは分からないけど、何も食べないってわけにもいかない。
お粥は1度も作ったことがなかったから、インターネットを見ながら作る。
えーと、これはこうして……料理はまあまあ得意だから、多分失敗することはないはないはず。
ピッと押して、後は待つだけ。
もう1回様子見てこようかな。
音を立てないように、そっと湊君の部屋に入った。
ちゃんと寝ていて、寝息を立ててる。
起こさないように気をつけながら、タオルに触れた。
少し熱くなっていて、またタオルを替えた。
それから、少しだけ湊君の顔を見つめてから、台所に戻った。
もちろん、まだ炊けてないから炊けるのを待った。
その間、私は予習や復習をしたりしてちゃんと勉強をする。
少しでもしないと、天才じゃないから置いていかれる。
それだけは、避けなくちゃいけないから。