チャラい彼は、意外と一途
「ふゆちゃん、もしかしてリップ使ってくれてる?唇潤ってるから」
「分かりますか?」
「うん、分かるよ」
気づいてくれた……
嬉しいな。
佑都先輩なら、私が髪切っても気づいてくれそう。
女の子なら、気づいてほしいって思うでしょ。
「よく見てますね」
「まぁね」
まぁ、ネックレスには気づいてないみたいだけど。
でも、これで気づかれる心配はしなくていいよね。
「実はネックレスもしてるんですよ。見えないですか?」
「そうなの?知らなかった。さっそく付けてくれてるんだね。嬉しいよ」
本当に嬉しそうな笑顔。
その笑顔に私は見惚れてしまう。
「バレてないみたいでよかったです」
「確かに。それ見つかったら、先生に没収されちゃうもんね」
佑都先輩は納得したように頷く。
そして、腕を見せてきた。
「実は僕も付けてきたんだよ。ふゆちゃんからもらった腕時計」
確かに佑都先輩の腕に付けてるのは、私がクリスマスの時にプレゼントした腕時計。
付けてくれてるんだ……
そう思ったら、嬉しくなる。