チャラい彼は、意外と一途


だって、自分がプレゼントした物を使ってくれるって本当に嬉しいから。


「付けてくれてるんですね」


「うん。この腕時計は僕の宝物だよ」


「宝物って、それは大げさすぎじゃないですか?」


「大げさじゃないよ。本当に宝物だから」


少し照れくさくなってくる。


佑都先輩は他人からもらった物を大事にするタイプなんだろうね。


でも、私も佑都先輩からもらった物は宝物だと思ってる。


とっても可愛いし、大事にしたいって。


「まぁ、それは私も思ってますよ。クリスマスの時にもらったネックレスとリップ。それに、水族館に行った時にもらったぬいぐるみも」


「そっか。それは嬉しいよ」


にっこりとした笑み。


佑都先輩はよく笑う人だと思う。


そう思いながら、私は佑都先輩の手を見つめた。


今更だけど、手を繋ぎたいな…… 


でも、私は素直じゃないから……自分から手を繋ぎたいって言うのは恥ずかしい。


「手繋ぐ?」


私が見つめすぎてたからか、それとも私の思考を読んだのか、佑都先輩から言ってくれた。


私からしてみれば、嬉しい提案で。


「はい!」


私の返答にクスッと笑いながら、手をさりげなく絡める。


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