チャラい彼は、意外と一途


「学校に着いたね。教室まで一緒に行こうか」


「はい、そうですね」


教室に着くまで、他愛もない話をしながら一緒に向かった。


あっという間に着いてしまい、名残惜しく思いつつ佑都先輩と別れた。


「紗奈ちゃん、おはよう」


「あ、ふゆ。おはよう」   


いつも元気な紗奈ちゃんだけど、今日はなんだか元気がないように見える。


「紗奈ちゃん、どうしたの?なんか元気がないみたいだけど」 


「あ、ううん。全然元気よ」


心配になるけど、本人が言わないんじゃ、どうしようもない。


言いたくないこともあるんだろうね……


「そっか。何かあったら言ってね。私は紗奈ちゃんに相談してばっかりだから、私だって紗奈ちゃんに力になるよ」


「ありがとう、ふゆ」


紗奈ちゃんが元気ないことは少ない。


っていうか、ほとんどなかった。


何が原因なんだろう……?


考えても考えても分からなかった。


休み時間の時、紗奈ちゃんから来てくれたんだ。


「あの、ふゆ」


「何?紗奈ちゃん」


紗奈ちゃんにしては珍しくおずおずと呼びかけてきた。


いつもははっきり言うのに……やっぱり、どこか変だ。


「クリスマスイブ、律先輩と一緒にいたでしょ?」


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