チャラい彼は、意外と一途


そう言われた時、私と紗奈ちゃんの間の空気が少し凍った気がした。


……もしかして、見られてた?


クリスマスイブの日、一緒にいたことは確か。


だって、佑都先輩のクリスマスプレゼントを決めるために一緒に行こうと誘ってもらったから。


「確かに一緒にいたけど、浮気とかじゃないよ。佑都先輩のクリスマスプレゼントを決めるのを手伝ってもらったの」


紗奈ちゃんからしてみれば嫌に決まってるよね。


紗奈ちゃんに気を遣わなきゃいけなかったな……


「誤解させてしまったなら、ごめんね」


「ううん、分かってたの。ふゆはそんなことする子じゃないし。でも、やっぱり嫌だと思ってしまったの。好きな人が違う女の子と一緒だったのが……それがふゆでも。ごめん、ふゆ。ふゆにまでヤキモチ妬いちゃうとか」  


「好きなら当然だよ。私の方こそ何も言わないでごめんね」


せめて、後からでも言えばよかったかもしれない。


「ふゆはほんと優しいんだから!佐野先輩には本当にもったいないと思うわ」


「そんなことないから」


紗奈ちゃんは私のこと買いかぶりすぎだよ。


私は紗奈ちゃんが言うほど優しくない。


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