チャラい彼は、意外と一途


時には、やっぱり妬いてしまうんだよね。


佑都先輩、本当にモテるから。


「あ、そうだ。ふゆ!遅れたけど、誕生日プレゼント!」


「わぁ!ありがとう、紗奈ちゃん!」


嬉しいものは嬉しい。


だって、大好きな親友からのプレゼントだから。


そもそも、もらえるだけで嬉しいよ。


そう思いながら、中身を開けた。


入っていたのは、チェックのマフラーとベージュの手袋。


紗奈ちゃんの気遣いが伝わってくる。


「ちょうど新しいの買おうと思ってたんだ!本当にありがとう、紗奈ちゃん!」


「どういたしまして!」 


私のこと優しい優しいって言うけど、紗奈ちゃんの方が絶対優しい。


「大したもんじゃないけどね。ふゆはクリスマスに佐野先輩と会ったんだから、何かもらったんでしょ?誕生日プレゼントはないにしても」   


「あ、うん。それなんだけど、誕生日を湊君に聞いてたみたいでもらえたの。誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントの2つ」  


「うわ、抜かりないわね。さすが、佐野先輩」 


そう感心している紗奈ちゃんにプレゼントを見せてって言われたから、こっそり見せた。


「あっ、これdolceじゃない!」


「しー、紗奈ちゃん!声が大きいよ」


「あ、ごめん」

 
紗奈ちゃんが大きい声で叫んだから、バレてしまったんじゃないかと心配になった。


だって、してはいけない物を身につけてるわけだしね。


< 267 / 300 >

この作品をシェア

pagetop