チャラい彼は、意外と一途


勉強をしている間に、ご飯が炊けた。


器に盛って、湊君の部屋に持っていく。


扉をそぉっと開けると、スヤスヤ眠っている湊君が。


このまま起こすのは悪いかなって思ってしまうけど、待っていたらお粥が冷めちゃうし仕方ない。


「湊君、起きて」


「……ん……あ、ふゆ」


湊君が目を覚ました。


「この匂い。何か作ったのか?」


「うん。お粥を作ってみたんだ。何か食べた方がいいと思って」


これを湊君は食べてくれるかな……?


「わざわざ作ってくれたのか」


「うん。食べてくれる?」


「あぁ、もらう」


そう言ってくれて、ホッとした。


よかった……


私からお粥を受け取って、食べる湊君。


「美味い」


「それはよかった」


とりあえず、少しだけ味をつけたんだ。


体調はまだ悪そうだけど、食べられるみたいだし本当に安心した。


湊君はそのまま食べ進めてあっという間に完食。


食べるの早いな……


さすが、男の子。


私だったら、こんなに早く食べられない。


男の子って、皆こんなに食べるの早いのかな……?


「じゃあ、お皿片付けるね」


「あぁ、頼む……」


容器を持って、もう1度台所へ。


スポンジに洗剤をつけてゴシゴシ洗いながら、考える。


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