チャラい彼は、意外と一途


そういえば、前に凍堂先輩が言ってたよね。


『凍堂先輩ってよく逆ナンされるんですか?』


そう聞いた時……


『うん、まぁたまにね。でも、佑都の方が多いよ。佑都といる時は、結構な頻度でされてるから。佑都だけでも結構されてるらしいだし』


2人が揃ってるんだから、ああなるのは当たり前。


でも、佑都先輩が逆ナンされてるところなんて見たくない。


思い悩んでいると……


「あ、ふゆちゃん!」


佑都先輩が私に気づいて、呼びかけた。


バレてしまったから、しょうがなく駆け寄る。


「えっ、この子と?」


「うわ、負けた。行こう」 


何故か諦めて、どこかへ行ってしまった。


まぁ、何がともあれよかった。


「すみません、遅くなってしまって」


「ううん、僕らもさっき来たところだから。ね?律」


「そうだよ。だから、謝らなくていいから」


絶対さっき来たところじゃない。


きっと待たせてる。


でも、2人共優しくて、怒ったりしなかった。


申し訳なく思ったけど、さっきの光景を思い出して胸が少しモヤモヤしてしまう。


「でも、逆ナンされてましたよね?」


思わずそんな言葉がポツリと漏れた。


「まぁ、あれはよくあることだよ。ふゆちゃんが来てくれたおかけで諦めてくれたし、よかった」


「そう、ですよね」


こんなの明らかに嫉妬してたって感じだ。


恥ずかしいけど、止められない。


目撃してしまったから。


佑都先輩の異様なくらいのモテ具合を。


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