チャラい彼は、意外と一途


「いらっしゃいませ。何名様ですか?」


「3名です」


「かしこまりました。お好きな席にお座りください」   


ペコッと頭を下げて、その店員さんは厨房の方へ。


「どこにする?」


「別にどこでもいいから。佑都が決めたら?」


「うーん、そうだね。じゃあ、あそこにしようか」


佑都先輩が選んだのは日当たりがよく、隅っこにある席。


猫にはうってつけな席かも。


私達は猫じゃないけど、いい席だと思う。


「あ、ふゆちゃん。勝手に選んじゃったけど、この席でよかった?」


「はい。大丈夫です」


「よかった」


佑都先輩に優しく言われると、ここには凍堂先輩がいるのに、まるで2人でデートしているような気分になる。


気をつけないと……


そう思いながら、席に座った。


4人が座れるボックス席みたいなものだから、必然的に私と佑都先輩が隣になって、凍堂先輩が1人に。


「なぁ、まさか俺の目の前でイチャつくつもりじゃないよね?それ見るために来たんじゃないんだけど」


「あはは、しないよ。とりあえず、この話し合いが終わるまでは」


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