チャラい彼は、意外と一途
なんか疑ってるみたい。
でも、イチャイチャなんて……そのワードに恥ずかしくなってくる。
傍から見たら、そう見えるんだよね。
でも、紗奈ちゃんと凍堂先輩には早く付き合ってほしいから。
そんなの、しないように……
その時、ちょうど店員さんが水を持ってきた。
「水をお持ちしました。ではメニューが決まりましたら、お呼びください」
そう言ってメニュー表を渡し、また厨房の方へと消えた。
「とりあえず、頼もうか。何にする?」
まず私に見せてきた。
メニュー表を覗きこむと、必然的に身を乗り出す格好になってしまうわけで……距離が近くなってドキッとしたけど、顔に出さないようにした。
イチャついてるって言われそうだし。
メニュー表にはいろいろなものがあって迷ってしまう。
うーん……でも、ご飯を食べるために来たわけじゃないし。
いろいろ見た上で、デザートと飲み物を頼むことにした。
「えっと、いちごロールとウーロン茶にします」
「ん、了解。律は?」
「俺は……」
こうやって自分を後回しにするところ、いいなって思う。