チャラい彼は、意外と一途


これを萌ちゃんが知ったら怒るかな?


怒るに決まってるよね。


私が萌ちゃんの立場だったら、怒るかもしれない。


もしくは、傷つくし嫉妬しちゃいそう。


萌ちゃんがどういう人か詳しく知らないけど、少し不安に思った。


仲良くなれたからだと思うけど……


洗剤のついた皿を洗い流して乾かす。


ふぅ、終わった。


一応様子を見て帰ろうかな。


またまた湊君の部屋に入った。


そっと入ると、まだ眠ってる。


起こさないように気をつけながら、近づく。


タオルが温かくなってたから、また替える。


少し湊君のおでこに触ってみると、まだ少し熱い。


明日になったら、治りますように……


そう祈ってから出ようとした。


でも……何故か私の意思とは反対に湊君に近づいてしまった。


湊君……


ほとんど無意識で。


そっと湊君の顔に私の顔を近づける。


あと少し……というところで、我に返った。


……私、何しようとしてたの!?


湊君が寝ている時に、あんなこと……


恥ずかしくて、顔を覆う。


顔は多分真っ赤。


慌てて、湊君の部屋から出た。


鞄に自分の物を全部入れて、自分の家に帰る。


< 28 / 300 >

この作品をシェア

pagetop