チャラい彼は、意外と一途
これを萌ちゃんが知ったら怒るかな?
怒るに決まってるよね。
私が萌ちゃんの立場だったら、怒るかもしれない。
もしくは、傷つくし嫉妬しちゃいそう。
萌ちゃんがどういう人か詳しく知らないけど、少し不安に思った。
仲良くなれたからだと思うけど……
洗剤のついた皿を洗い流して乾かす。
ふぅ、終わった。
一応様子を見て帰ろうかな。
またまた湊君の部屋に入った。
そっと入ると、まだ眠ってる。
起こさないように気をつけながら、近づく。
タオルが温かくなってたから、また替える。
少し湊君のおでこに触ってみると、まだ少し熱い。
明日になったら、治りますように……
そう祈ってから出ようとした。
でも……何故か私の意思とは反対に湊君に近づいてしまった。
湊君……
ほとんど無意識で。
そっと湊君の顔に私の顔を近づける。
あと少し……というところで、我に返った。
……私、何しようとしてたの!?
湊君が寝ている時に、あんなこと……
恥ずかしくて、顔を覆う。
顔は多分真っ赤。
慌てて、湊君の部屋から出た。
鞄に自分の物を全部入れて、自分の家に帰る。