チャラい彼は、意外と一途
佑都先輩には不安の色が見えない。
きっと、私だけがこんなにも不安なんだ……
そう思うと、余計に寂しくなった。
「元気ないわね、ふゆ」
「うん、佑都先輩に進路聞いたけど、遠距離恋愛になっちゃうから」
「あぁ、確かに。それは私も不安」
紗奈ちゃんもそう思ってるんだ……
よかった、共感してもらえる人がいて。
「うーん。あ。ねぇ、ふゆ。今日私の家に来ない?一緒にお泊まり会しましょうよ」
お泊まり会か……
それ、いいかも。
「うん、お泊まり会したい。でも、迷惑じゃない?」
「大丈夫よ。全然迷惑じゃないから。寝る時とかに惚気合いましょう?」
「うん」
紗奈ちゃんの家でお泊まり会……
久しぶりだから、楽しみ。
「それ、私もいいかな?」
聞こえた声に振り向くと……
「萌ちゃん」
萌ちゃんだった。
それって、お泊まり会のことだよね……?
「うん、私はいいよ。紗奈ちゃんは?」
「ふゆがいいなら、私もいいわよ」
「ありがとう!」
私、紗奈ちゃん、萌ちゃんの3人。
紗奈ちゃんと萌ちゃんは関わったことないけど、大丈夫かな……?
少しそんな心配をしたけど、楽しみなことに変わりなかった。