チャラい彼は、意外と一途


佑都先輩には今日一緒に帰れないってことと朝も一緒に行けれないってことを連絡して、放課後が来るのを待った。


放課後になって、私と紗奈ちゃんは萌ちゃんの教室に向かった。


その途中で湊君と会ったんだ。


「お、ふゆ」


「湊君。久しぶり」


「だな。あまり会わないし。それにしても、どこ向かってんだ?」


「萌ちゃんの教室。今日、私と紗奈ちゃんと萌ちゃんの3人でお泊まり会するから」


「へー、そうなのか。珍しい組み合わせだな。まぁ、楽しめよ」


「うん!」


こうやって、普通に会話することができている。


今となっては幼馴染みだけど、すごく嬉しい。


「普通に話してるのね」


「うん。湊君が幼馴染みとして接してくれるから」


「もはや、告白したとは思えないわ。気まずさとかないの?」


「それを湊君は感じさせないようにしてくれてるんだよ」


「ふーん、優しいのね」


「うん」


本当にそう。


普通に会話できてるのは、湊君のおかげだから。


話している間に萌ちゃんの教室に着いた。


覗いてみると、クラスの子と談笑してる。


邪魔しちゃ悪いかな……?


紗奈ちゃんと顔を見合わせたところで、萌ちゃんが私達に気づいた。


「あ、ふゆちゃん!柳樂さんも!」


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