チャラい彼は、意外と一途
ちょっと待っててねと言って急いでくれてる。
「お待たせ!」
「別に急がなくてもよかったのに」
「そういうわけにはいかないよ!」
にこっと笑った時の相変わらずの可愛さ。
皆見てるもん。
特に男の子が。
それよりも、今気づいた。
紗奈ちゃんと萌ちゃんという美人2人が揃ってるから、目立っちゃってる。
すごく視線感じるもん。
私、完璧邪魔だね。
「柳樂さんの家ってどこにあるの?」
「駅前の近く」
「へー、結構遠いんだね」
そんな視線をもろともせず普通に歩いてる。
慣れてる人はすごいな……
それに、普通に会話してるみたいだし、余計な心配だったね。
「あ、そういえば、私服持ってきてなかった」
「私もだ!ふゆちゃん、取りに帰る?」
「うん、そうしようか」
「別にいいわよ。服なら、私の貸してあげるから。それよりも、早く行こ」
それは悪い気もしたけど、紗奈ちゃんの言葉に甘えさせてもらった。
他愛もない会話をしつつ、紗奈ちゃんに家へ。
その最中もやっぱり視線を感じた。
「着いた」
紗奈ちゃんの久しぶりの家。
中に入ると、祐奈さんが出迎えてくれた。