チャラい彼は、意外と一途
「お母さん、どうしたの?今日、すごい豪華じゃない?」
「ふゆちゃん達が来るって聞いたから、急いで買って作ったのよ。せっかくだもの。豪華にしたいじゃない」
本当にすごい。
でも、こんなに食べられるかな……?
でも、そんな心配は無用だった。
萌ちゃんは意外と食べるタイプみたいで、たくさん食べていた。
紗奈ちゃんもだけど。
私もいつもより食べたかな。
とっても美味しかった!
祐奈さんは相変わらず料理が上手いみたい。
「ただいま」
「あ、秀人だわ。おかえりなさい」
そこで、紗奈ちゃんにお父さんの秀人さんが帰ってきた。
「あ、ふゆちゃん。久しぶりだね」
「お久しぶりです。お邪魔しています」
「いくらでもいてくれて構わないよ。そちらは初めましてだね」
「あ、私は中村萌です」
「中村さんか。ゆっくりしていってね」
「はい」
優しく笑ってくれた。
紗奈ちゃんの温かい家族。
これは、本当にいいなと思う。
私のお父さんはいつも帰りが遅いから。
こんな賑やかに食事することなんてなかった。
「今日はすごいね」
「でしょう?奮発したの。秀人も食べてよ」
「うん」