チャラい彼は、意外と一途
知らなかった、そんな人ができてたなんて……
誰なんだろう……?
「陸上部の石田君だよ。1回告白されて断ったんだけど、友達からって言われて友達から始めたの。でも、だんだんいいなと思い始めて、次は私から告白しようかなと思ってるんだ」
素敵だな……
石田君が誰かは分からないけど、萌ちゃんが幸せになってほしいと思う。
それから話は続いていたけど、徐々に口数が減ってきた。
多分眠くなってきたんだと思う。
かくいう私も。
微睡みの中、静かな寝息が聞こえてきた。
朝起きて、2人で学校へ。
やっぱり目立ってたけど、とりあえず気にせず。
「バイバイ、2人共!」
「うん、バイバイ」
「また後で」
教室が違うから、萌ちゃんとは別れた。
「あ、ふゆちゃん!」
「紗奈!」
「佑都先輩」
「律先輩」
ちょうど教室に入ろうとしたら、2人の先輩に呼び止められた。
どうしたんだろう……?
「昨日何があったの?一緒に帰れなかったし、行きしも登校できなかったから」