チャラい彼は、意外と一途
先生から指示が出て、ぞろぞろと移動し始めた。
1年生は手前の方で見送りなんだ。
……3年生が来た。
私は知り合いが2人しかいないから、知らない人だったら特に何も反応しないんだけど、皆誰かしらメッセージとかを言ったりしてた。
そんな光景を見ていると、佑都先輩と凍堂先輩か通り過ぎた。
佑都先輩はにこっと笑って私に手を振って、凍堂先輩は笑いかけてくれた。
私はあえて何も言わない。
後でちゃんと言いたかったから。
見送りが終わり、私達も外に出た。
3年生達は写真を撮ったりとか好きにやっている。
人気の人はボタン争奪戦になったり、告白されたりしてるみたい。
凍堂先輩がそうなっていた。
もちろん、紗奈ちゃんはそんな中で凍堂先輩のところへ飛んでいく。
えっと、佑都先輩は……
探していると……見つけた。
当たり前かもしれないけど、周りには女の子でいっぱいだった。
それを複雑な気持ちで見つめる。
少し近くに行ってみると、会話が聞こえてきた。
「あの、ボタンをください!」
「佑都ー、ネクタイちょうだい!」
争奪戦になってるみたいで、佑都先輩も困ったような顔をしてた。
……私の彼氏なのに。
この感情の名前はよく知ってる。
でも、今までのとは段違いだった。