チャラい彼は、意外と一途
私ってこんなにも嫉妬深かったんだと思うほど。
「あの!」
「えっと、何かな?」
「彼女さんがいることは知ってます。でも、告白させてください。私、佐野先輩が好きです!」
「私もです!ずっと佑都先輩が好きでした!」
「それなら、私もよ!この子達よりもずっと前から佑都のことが好きなの!」
告白大会みたいなのが始まった。
どんどん黒くなっていく感情。
正直、こんな自分知りたくなかったと思ってしまうくらいの強い感情だった。
佑都先輩は私のなのに……触らないで!告白しないで!
自分の嫉妬深さに自分で呆れた。
でも、止めることはできなくて……目頭が熱くなって涙が出そうになる。
すると……
「ふゆちゃん」
ぎゅっと抱きしめられた。
その瞬間、大好きな匂いに包まれる。
どうやって抜け出したのか分からないけど、状況は把握していた。
「ごめん。僕には大切な彼女がいるから。ボタンもネクタイもあげられないし、告白も受けることはできない」
ちゃんと言ってくれた。
それは嬉しい。
でも……
「諦められません!」
「そうですよ!」
「この子達の言うとおりだわ!」
私があまりにも釣り合わないからだ。
私のせいで、諦めてもらえない。