チャラい彼は、意外と一途
そうは分かってるけど、諦めてほしかった。
だって、紛れもなく私は佑都先輩の彼女だから。
「しょうがないな。ふゆちゃん、上向いて」
「……?」
どうしてかは分からなかったけど、とりあえず上を向いた。
すると、近づいてくる佑都先輩の整った顔。
……唇が重なった。
優しく甘いキス。
ここは学校ですよ!とか、いつもなら言うセリフも出てこなかった。
ゆっくり離れていくとら唖然としている女の子達が目に映る。
「僕はこの通りふゆちゃんに夢中だから。ふゆちゃんのことが好きよりももっと上。愛してるんだ。僕はもうふゆちゃんのことしか好きにならないし、ふゆちゃん以外の人とどうこうなろうとも思わない。だから、ごめんね。さぁ、行こう。ふゆちゃん」
少し経ってから、悲鳴が聞こえてきた。
遅いんじゃないかなと思ったけど、今は至福に満ちていた。
……佑都先輩、私のこと好きすぎですよ。
人通りの少ない場所に連れていかれた。
「あの、佑都先輩」
「これで、不安は解消できた?」
優しく微笑んでくれる佑都先輩。
完全にとは言わないけど、だいぶ解消された気がする。