チャラい彼は、意外と一途
萌というのは、湊君の彼女さん。
中村萌さんっていうの。
とっても可愛くて、男の子からも人気なんだ。
明るくて、性格もいい。
だから、女の子からも人気。
そんな湊君と中村さんはお似合いだから。
……きっと、皆も敵わないと思ったんだろうな。
だから、減ったんだ。
「ふゆだって、告白されてるだろ?」
「私は湊君ほど告白されてないよ。私が何で告白されるのかは分からないけど」
私って何故か知らないけど、たまに告白されるんだ。
何でだろう?っていつも不思議に思ってる。
「それはふゆが可愛いからだと思うけどな」
「可愛いなんて、冗談が過ぎるよ」
こういう言葉にはすぐドキッとする。
本当に嫌だ。
「冗談じゃないけど」
「そういうのは、彼女さんだけに言わないとダメだよ」
私に言っちゃダメ。
だって、期待しそうになるから。
ありえないのに、無駄な期待はしたくない。
「はいはい、分かりましたよ」
「分かったなら、いいよ」
なんてやりとりをしていたら、学校に着いた。
「あ、湊ー!」
「萌」