チャラい彼は、意外と一途
でも、それにしてはクラスメートの人とか気づいてないよね。
それとも、気づいてるけど、私が気づいてないだけ?
「もし、気づいてるなら振られてるってことだよね。まぁ、彼女さんがいるんだから振られてるのは当然だけど」
「当然ってわけじゃないわ!でも、檜山君ってすごいと思う。近くにこんな可愛い子がいるのに、好きにならないから。中村さんよりふゆの方が可愛いし」
私の方が可愛い……?
そんなわけないよね。
多分、紗奈ちゃんは気を遣って言ってくれてるだけ。
「ありがとう、紗奈ちゃん」
「絶対お世辞だと思ってるでしょ。ほんとのことなのに」
呆れ顔で見られた。
えっ、なんで……?
そう思ったけど、結局分からなかった。
今は掃除の時間でゴミ箱を持って階段を降りていると
「あ、一ノ瀬さん!」
キラキラと輝くような笑顔で呼び止められた。
「ゴミ捨てに行くの?」
「うん。中村さんも?」
「そうなの!一緒に行こう!」
「うん、いいよ」