チャラい彼は、意外と一途
佐野先輩と凍堂先輩の応援だった。
明らかに女の子が多いから、そうだと思ったけど。
その中でも、3年生が1番多い。
やっぱり、佐野先輩と凍堂先輩って本当にモテるんだな……
「すごっ。佐野先輩はさすがって感じね。学年1のモテ男はやっぱりモテるわ。律先輩もすごくモテてるし」
なんか嫌つて言ってる紗奈ちゃん。
でも、私もその気持ちが分かる。
それは嫌だよね。
私だって、湊君がモテてるのを見るの嫌だったもん。
今となってはもう慣れたけど。
それにしても……佐野先輩がモテるのは知ってたけど、まさか学校1のモテ男だったなんて。
びっくり。
「キャー!」
佐野先輩や凍堂先輩のスパイクが決まるたびに上がる歓声。
いや、歓声よりも悲鳴に近いかな……
いずれにしろ、大声量。
耳がキーンもしてしまう。
よくあんな高い声が出せるよね。
私には絶対無理。
「あ、佐野先輩のサーブだ」
その声に見てみると、確かに佐野先輩のサーブ。
その時の集中している顔。
こういう時は、普段のふざけた感じじゃなくて真剣な顔になるよね。