チャラい彼は、意外と一途


少しドキドキしている自分に気づいて嫌になる。


こんなのでドキドキしてるなんて……


自分に呆れていると……佐野先輩がサーブを決めた。


あの時の、確かジャンフロ?サーブとは違ってすごい威力。


あんなの誰も取れないよ。


「ジャンプサーブだ」


ボソリと呟かれた言葉に首を傾げる。


新しい言葉が出てきた。


「ジャンプサーブ?」


「通称ジャンピングサーブ。スパイクサーブとも言われてるくらいの威力をもつの。ジャンフロだけでなくジャンプサーブもできるなんて本当にすごい」


紗奈ちゃんに解説してもらって、何も分からない私でもすごいと思えた。


これも難しいのかな……?


「ジャンプサーブって難しいの?」


「もちろん、難しいわ。初心者じゃ絶対できない技よ。バレーやってる人でも難しいもの」


へー、そうなんだ。


じゃあ、佐野先輩は本当に運動神経いいんだね。


凍堂先輩の言葉を思い出す。


『それは本当だよ。こいつ、だいたい何でもできるから』


佐野先輩を見てると、不公平だと思ってしまう。


「あ、律先輩だ!」


< 75 / 300 >

この作品をシェア

pagetop