チャラい彼は、意外と一途
紗奈ちゃんの言うとおり、今度は凍堂先輩のサーブ。
集中していたようだけど、さっと顔を上げて、佐野先輩のと同じのをした。
ということは、ジャンプサーブ……?
「うわ、律先輩もすご」
「確かに」
類は友を呼ぶって言うけど、本当みたいだね。
それから、佐野先輩と凍堂先輩の活躍で見事勝った。
そして、屈託のない笑顔でハイタッチを交わしていた。
それに、少し驚く。
気づけば、魅入っている自分がいた。
「ふゆ、佐野先輩に見惚れてる?」
「えっ、違うよ!見惚れてるなんてありえないから!」
そう、ありえない。
でも、魅入っていた自分がいたのは事実。
私、どうしちゃったんだろう……
「ふゆ、次の試合が始まるわよ!」
「うん、見よう」
またもや、佐野先輩と凍堂先輩の活躍で佐野先輩達のクラスの勝利。
それからもその勢いが止まらず、次々と勝ち進んで、ついに優勝した。
「かっこよかった、律先輩!」
「そうだね」
他の人ももちろん活躍してたけど、佐野先輩と凍堂先輩の方がどうしても目立ってしまう。
「このまま男子の試合を見ましょう!」
「うん、そうしよう」