チャラい彼は、意外と一途


そうか、この子に微笑んだのかな?


私は気にしないようにしていると、さっきの紗奈ちゃんの応援が届いたのか凍堂先輩のスパイクが綺麗に決まった。


「キャー、律先輩ー!」


紗奈ちゃんは隣で興奮したように騒いでいて。


とっても嬉しそう。


それから、佐野先輩と凍堂先輩は挽回と言わんばかりに決めまくった。


コンビネーションがすごくて、とても上手い。


そのおかげか、始めは湊君達のクラスが勝っていたのに、すぐに逆転。


今の点数は24ー18。


あと1点取れば、佐野先輩達のクラスが勝利。


運命の瞬間……


どちらも譲らず、ものすごいラリーを繰り返している。


そのラリーを制したのは佐野先輩達のクラスで……凍堂先輩が綺麗なトスを上げて佐野先輩がスパイクを。
 

ギリギリのところで入った。


「キャー!!」


体育館いっぱいに響き渡る歓声のような悲鳴。


それくらい、この試合はすごかったということ。


「き、決まりました!総合優勝は佐野君達率いる3年5組です!」


わぁとまた歓声が。


「かっこよかった!」


「そうだね」


私としては少し悲しいけど……ふと湊君を見てみれば、少し悔しそうにしていた。



< 79 / 300 >

この作品をシェア

pagetop