チャラい彼は、意外と一途
湊君、負けず嫌いだからな……
そこも変わってない。
クスリと笑うと、紗奈ちゃんに不思議そうな顔をされた。
「どうしたの?ふゆ」
「ううん、何でもないよ」
紗奈ちゃんにそう返事して、周りを見渡した。
終わったな……
結構あっという間だったかも。
回想に浸ってると……
「皆さん、1回集まってください」
そう言われて、全員体育館に集合した。
「それぞれの優勝クラス、そして、総合優勝クラスにトロフィーを渡します。代表者は前に出てください」
優勝したクラスの人がそれぞれ出てきた。
そして、トロフィーを受け取る。
その瞬間、割れんばかりに大きな拍手が響き渡った。
「それでは、次は校長先生のお話です」
「皆さん、頑張っていましたね。一致団結していい試合ができていたと思います。どれも見応えのある試合でした。それに……」
長い校長先生のお話が始まる。
皆、もう寝そう……
それに苦笑いを浮かべて、私は見ていた。
ようやく校長先生の長いお話が終わって、皆体育館を出る。
こうして、球技大会の幕を閉じた。