チャラい彼は、意外と一途
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球技大会が終わって、テストが近づいてきた。
「はぁ、やだ」
「紗奈ちゃん、勉強苦手だもんね」
紗奈ちゃんがこぼしたセリフに苦笑いを浮かべた。
紗奈ちゃんは運動が得意だけど、勉強は苦手みたい。
「ふゆはいいな。頭よくて」
「いや、よくないよ」
「学年で50番以内に入ってる人が何言ってるの!」
「それでも、50番以内だよ?もっと頭いい人がたくさんいるよ」
確かにいつも50番以内には入ってるけど、中途半端だなと思ってしまう。
10番以内だったら、自信持って頭いいって言えるのに……
「それに、私よりも湊君の方が頭いいよ」
「あぁ、確かに。檜山君って、いつも10番以内に入ってるもんね」
幼馴染みでこれだけの差があるって、すごいよね。
その分、湊君は努力してるんだろうけど。
「それでも、ふゆは頭いい人に入るんだから。あっ、ふゆここ分からないの。教えて」
「あ、うん。ここは……」
私が分からなかったり、すごく難しい問題は教えることができない。
もっとちゃんと教えてくれる人が必要だな……