チャラい彼は、意外と一途
「佑都がふゆちゃんのことを気に入った理由が分かったよ」
また笑われた……
それと、気に入ってるって言ってますけど、佐野先輩って私のこと気に入ってるの?
「うん、気に入ってるよ」
「何も言ってませんよ」
「ふゆちゃんは思ってることが顔に出やすいから」
それもよく言われる。
私って顔に出やすいんだ……
「脱線してますけど、勉強教えてくださいよ。私のせいなんでしょうけど」
「ごめん、紗奈ちゃん。じゃあ、再開しようか」
勉強が再開された。
時々分からないところは佐野先輩に教えてもらって、ちゃんと解けるようにした。
「すみませんでした。佐野先輩、自分の勉強できませんでしたよね?私に教えてばっかりで」
「ん?あぁ、大丈夫だよ。ちゃんと勉強できたし、ふゆちゃんに勉強教えてあげられたし。これで1位キープできるよ」
どこから出るんだろう、その自信。
でも、羨ましいなって思ってしまう。
私にはそんな自信ないから。
「じゃあ、律帰ろうか。バイバイ、ふゆちゃん、紗奈ちゃん」
「またね、紗奈ちゃん、ふゆちゃん」
「さようなら」
「さようなら!」
佐野先輩達が帰って、私達も帰ることにした。