チャラい彼は、意外と一途
嬉しい。
凍堂先輩が紗奈ちゃんのことを好きなのが。
まだまだ質問してみようかな。
「凍堂先輩は、紗奈ちゃんのこといつ好きになったんですか?」
「いつ、か。入学式の時かな」
「結構前ですね」
もっと最近かと思った。
「声かけようかと思ったんだけど、なかなかできなくてね。佑都が紗奈ちゃんを屋上に連れてきてくれた時はめちゃくちゃ嬉しかった」
「そうだったんですか」
「うん。そういえば、俺が紗奈ちゃんを好きになった頃、佑都は紗奈ちゃんの隣にいた君のことをよく目で追いかけてたよ」
「えっ、そうなんですか?」
全然知らなかった。
佐野先輩のことは知ってたけど、その時関わりはなかったから。
「その時からふゆちゃんのこと気にしてたんだろうね」
私の方を見て少し笑い、妙に含みのある言い方をされた。
「そうなんですかね」
「うん、そうだよ。俺、ふゆちゃんと佑都はお似合いだと思うよ?付き合ったら」
一瞬思考が停止した。
この人は何言ってるんだろう……
「何でそんなこと言うんですか?」
「俺、佑都を何が何でも応援するって決めてるんだよ。だからかな」