チャラい彼は、意外と一途
噂
問題の明日がやって来た。
今日は、湊君とデート……
いつもよりオシャレしないと。
クロゼットの中にある服を引っ張り出して、なるべく早めに選んだ。
白いニットに、紺色のロングスカート。
可愛いって思ってもらえるかな……
そんなことを思ってしまった私に苦笑い。
萌ちゃんという彼女がいるのに、可愛いって思ってもらえるわけないよね。
もし言ってもらえたとしても、それはきっとお世辞。
それだけでも嬉しいって思ってしまうんだろうけど……
「ふゆー、もう行かなくていいの!?」
「わっ、もう行く!」
腕時計を見ると、もう約束した時間に迫っていて。
軽く自分の姿を鏡で確認した後、家を出た。
「いってきます!」
急がないと、間に合わない……!
「湊君!」
「ふゆ、はよ」
「おはよう」
一応間に合ったけど、湊君はもう来ていて申し訳なく思った。
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「別に遅刻とかしてないだろ。ちゃんと間に合ってんだから」
優しいな。
それに、すごい。
ちゃんと早めに来て、待たされることになっても怒らないなんて。
「ふゆ、今日の服可愛いな」