いつの間にか、君に恋していたんだ。
日常
〔伊鳥side〕
今日も騒がしい学校。
さっきから、ずっと悲鳴が聞こえてくる。
「キャー、太陽君!」
「こっち向いてー!」
すごく甲高い声で、女の私でもどうやったらあんな声が出せるんだろうって不思議に思うくらい。
「おー、相変わらずモテモテね。神崎太陽は」
「あ、由香ちゃん」
ひょこっと教室の扉に現れた玉城由香ちゃん。
由香ちゃんは1個上の先輩だけど、私の幼馴染みっていうのもあって親友なの。
敬語とか全くなし。
すっごく仲良いの!
「おはよう、由香ちゃん」
「ん、おはよう、伊鳥!今日も相変わらず可愛い!」
ばっと抱きつかれる私。
私は別に可愛くないけど、由香ちゃんの目が悪いのか気を遣ってくれるのか可愛いと言ってくれる。
全然可愛くないのにね。
むしろ、由香ちゃんの方が可愛い。
そう思ってしまうのは、由香ちゃんがとっても美人だから。
明るい赤茶の長い髪はパーマをかけていてとても綺麗で……それでいて目はパチッと大きくて、鼻筋もスッとしていて。
そして、肌は白くて顔がとても小さく、桜色の唇はぷるっとしてる。
スタイルもモデルさん並に抜群。
何もかもが整っているんだ。
そんな由香ちゃんだから、男の子の視線を自然と集めてしまう。
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