いつの間にか、君に恋していたんだ。
「いや、悪いですよ。それに、大学休むことになりますし」
「大丈夫。俺今まで休まずに出てたし、必要な単位は取れてるから。それに、あいつらに任せておけない」
「あいつらって誰ですか?」
「伊鳥ちゃんの姉と母親のこと」
裕美さん達をあいつら呼び……
もしかして、輝楽さんに酷いことをしたのかな……?
いや、でも奈々美さんは輝楽さんのことが好きみたいだからそんなことしないよね。
じゃあ、どうしてこんな刺々しいんだろう……?
女嫌いだから……?
「伊鳥ちゃんのこと、全く心配してなかった。ねぇ、伊鳥ちゃん。熱が出た時、どうしてたの?」
あぁ、そっか。
輝楽さんに酷いことしたんじゃなくて、私のことだったんだ……
もう輝楽さんはきっと勘づいてる。
「看病をやってもらってましたよ」
それでも、まだ言いたくない。
こんな惨めなことを輝楽さんに言いたくない。
「分かった。言いたくなったら、俺に言って。その時まで待ってる」
優しいな、輝楽さんは……
その時が来たら、私の過去をちゃんと話そう。
その後、輝楽さんは1日中看病をしてくれた。
それから、輝楽さんは妙なんだ。
突然……
「伊鳥ちゃん、可愛い」
って言ってきたり。
なんか、妙に甘い。
あの時から……看病してもらった日から、なんか変。